シンフォニエッタ・ソリーソ第2回演奏会のための練習記録(臨時・弦分奏)
2013.06.09(日)都区内とある施設にて
進行役:いちろーた(第2バイオリン首席、一番デリケートな感性で、言葉の不器用な人です)
今回は【ベト7】を4~3~2~1楽章という順序でやりました。
++++(録音始まる前のあらすじ)++++
「終わりに向かって始まる。始まりがあるから終わる」
「1曲を通しての、始まりと終わり。楽章としての始まりと終わり。仮のゴールと仮のスタートを設けて、先へ進んでいく」
「f(ふぉるて)ってどういう意味?p(ぴあの)って?」……強く?弱く?大きく?小さく?自分の楽器を使って何をすることなの?フォルテが3つ書いてあったら、フォルテと何が違うの?
途中から録音をしてくださったので、それを元に振り返っていきましょう。
*団員さん向けに配布されている録音データのファイル名も掲載しておきます。 時刻は録音データごとのラップタイムです。
弦分奏・第1部~ベト7の4楽章
++++(途中から録音スタート)++++ 録音ファイル名……130609st_1.MP3
0:00~
【ベト7】4楽章の最後のところ
クレッシェンドfff sf 寝ている誰かを起こすたとえ
1:25~
【ベト7】4楽章[I]から
掛け合い。子どもの遊びのたとえ。
初めはキマリに則ってやっているが、だんだんのってきて、わけわかんなくなっちゃうけど、それさえも楽しい感じ。
低音のうねる動きとの温度差さえも楽しみポイント。
ケガをしないように目を配ってあげるけど、遊びには立ち入らない感じ。
5:15~
*さらう為のアイデア
・単純化してやってみる
・臨時記号的なことをどう捉えるかということ
13:40~
【ベト7】4楽章[307]から
掛け合い。
*さらう為のアイデア
・まず、ゆっくりやってみる
・ヴィオラが下行・上行の折り返し点を持っているので、そこで一時停止してみる
・単純化してみる(付点をなくして8分に、重音で、単音で……)
*掛け合いをなめらかにつなげるためのアイデア
・他のパートも自分のなかで歌っておく。出番だけ音を出す…ハンドベル的な。
20:40~
【ベト7】4楽章[230]あたりの2カッコから
ffで刻むとか。
*さらう為のアイデア
・刻むときに、まず左手に気をつけてみる(右手とずれていてよい)
・弓をどう使う?を考えよう(駒にどれくらい近づける?離す?)
・「回転寿司・わんこそば状態」出されたおいしい音符を次から次へと食べていく《パックマン???》
→左手がお膳立てしたものを、右手がどんどん食べて消化していく
27:00~
【ベト7】4楽章[230]のあたりの2カッコの先
一定のリズムが延々と続くときのこと。
「このリズムを使って、どんな遊びをしようか?」を最初の2小節で考える。
*さらう為のアイデア
・付点は「歌っていいよ」という合図
・「時間枠」を緩めるか、締め上げるかを意図的に選択していく
++++(休憩)++++
弦分奏・第2部~ベト7の4楽章、3楽章
録音ファイル名…… 130609st_2.MP3
0:00~
【ベト7】4楽章[E]から
掛け合い。
*さらう為のアイデア
・重音でやってみる(左手優先ということと、右手の動きを単純化)
・単音でやってみる
・リズムをつけてみる(付点つきのリズムだったら、付点を外して均等な8分音符にしてみる)
・短い音のために弓を取っておく(長い音では弓を短く、短い音では弓をのびやかに使う)
9:20~
(続き)[E]から
掛け合いしながらのクレッシェンド
*さらう為のアイデア
・ppと書いてあるけど、リズムは動きまくっているので、そのリズムのために体を動かしまくっていい。
11:30~
【ベト7】4楽章[B]から先
sf、スラーの扱い方(Vn1、Vc&Cb)
刻む(Vn2、Va)
→音程が変わっていくことを優先。
15:30~
【ベト7】4楽章[133]から先
弓順を確認しておきましょう(ここではsfをDownで引くことにしてます)
*さらう為のアイデア
・弓の使い始めは、どのあたりを選んでいる?
→sfを出すために、弓をどう準備するか
→弓元まで動かしてみる
→「これでいけるぞ」と準備ができたら一瞬待ってみる(他の人の弓は準備出来てるかな?と景色から情報を盗み見る)
++++ここから3楽章++++
25:00~
【ベト7】3楽章 AssaiMenoPresto[415]あたり
3拍目の裏どうやってる?的な。
28:20~
3楽章のアタマ
*3楽章についての思いつき
・基本的にpで淡々とビートを刻む
・fとかffはオプションの飾りユニットを載せていく感じ(fのユニット、pのユニットそれぞれ別に練習してみる)
*さらう為のアイデア
・ゆっくりやってみる、本来のやりたい速さでもやってみる
・「どんなフォルテでやろうか?」を持って始める
・装飾音をとっぱらってみる
・レガートで練習してみる(音価めいっぱいぶんの音を作る)
・「クレッシェンドをどう演出しようか?」を考えてみる
39:30~
【ベト7】3楽章。いろいろ試した後に3楽章アタマから
43:20~
3楽章の初めの方の繰り返し記号の前後。
「伝言ゲームは、崩れていくから面白い」変化を楽しんでもいい
→「まったく同じように模倣する」でなくてもいい
そのときに言わなかったのですが、「落語」なんかでは、噺の中で、とぼけた主人が暇つぶししてやろうってんで、訪ねてきた客人に何回も同じ挨拶の口上を述べさせるなんていう筋書きがありまして……このセリフ回しを一字一句間違えずに落語家はやってみせるわけです。それでいて、来訪した客人の「また同じことしゃべらせやがって!」というイライラを醸しだすんですね。そこが寄席に集ったお客さんの笑うポイントになるんですが、落語家としては淡々と役を演じているだけであって、演じているところのお客人は同じ挨拶のセリフをなんども言わされるもんで、だんだんカーッとなっていく……またまた言わされるお客さんがもう、ろれつがまわらないんじゃないか、息もつけないんじゃないかという、どんどんまくしたてて早口になっていくわけです……という見せ場。で、落語家は、とぼけた主人と客人それぞれを演じきったうえに、見事にオチ(サゲ)が付くので、観客はどっとウケるわけです。……という事を考えてみると、「同じパターンを延々と繰り返す」というのは、やりようによっては、ほんとうに見事な芸になっていくわけです。
*掛け合いのアイデア
・前の人のをマネをする
・伝言ゲームは「崩れていくのが面白い」
・始めるときにどう思ってやるかを選ぶ「完璧コピー以外は認めない」「これおもしろいでしょ、真似できる?」とか
*3拍子をさらうアイデア
・2拍子でさらう(ヘミオラだと思ってみる)
51:50~
【ベト7】3楽章(つづき)
ppから突然のffってどうする?
*さらう為のアイデア
・時間をかけていい(孫悟空がスーパーサイヤ人になるために一瞬だけど時間が必要)
・どんなppなのかを考えてみる
・「ハンカチ落とし」のたとえ……気づかせずにハンカチを落とす、ハンカチに気づいてビックリする
→いつでもffにできるようにしておいて、でもそれを秘めておく。
++++(休憩)++++
弦分奏・第3部~ベト7の2楽章、1楽章
録音ファイル名…… 130609st_3.MP3
0:00~
【ベト7】2楽章の最後6小節間
仕組みを確認しよう。
pizz.とarcoの切り替え
*さらう為のアイデア
・全部フォルテにしてみる
・「どんなピチカートでやろうか?」を考える
2:20~
【ベト7】2楽章[G]から
ffと書いてあるところ
*さらう為のアイデア、アンサンブルのためのアイデア
・弓順を気にしてみる
・コンミスさんに見惚れてみる
・弓順無視して、音量最大にするにはどうひけばいい?を考える
*音量を稼ぐためのアイデア
・駒のそばでひく
・弓の幅(こするために使う弓の長さ・速さ)を増やす
5:30~
【ベト7】2楽章(続き)[G]から
tenutoって何?
tenutoという言葉を見つけたときに具体的にどう思って弓を使っている?
「保持する」のだとしたら、何を保持するか。
何をtenutoするの?ということ。
クレッシェンドも、スタッカートも、何に対してのことなのか
→結論として、弓をどう動かすのかに反映させていく
8:30~
【ベト7】2楽章(続き)[G]から
「弦楽器の他は何をやっているか知っていますか?」
*アンサンブルのためのアイデア
・ffになったら「オーケストラ全体としては何をやってるんだろう?」を思い出してみる
10:00~
【ベト7】2楽章(続き)[G]からのこと
ティンパニが連打し続けるなんてなかなかないこと
→もしかして全曲中のクライマックスかも?と思ってみてもいい
11:00~
【ベト7】2楽章[E]から(そして[F]とかから[G]へ向かうという流れ)
長いクレッシェンド。
pizz.グループとarcoグループ
*さらう為のアイデア、アンサンブルのためのアイデア
・pizz.とarcoを入れ替えてみる
16:30~
【ベト7】2楽章[F]から[G]へ向かう
19:00~
【ベト7】2楽章の一番最初から
*さらう為のアイデア、アンサンブルのためのアイデア
・フォルテでやってみる
・楽譜に書かれている「クサビ」って何?(弓の動かし方としては何て言い聞かせている?)
・ボウイングは真似してみる(完璧なコピーにならなくてもいい)
*いちろーた的なアイデア
・クサビ
音を切り離す(=次の音を新しく始める)
あるいは、似たようなもののなかでそこだけ特別な意味合いがある。
・スラーつきスタッカート
弓を動かす力は与え続ける。音は区切る。
24:50~
3小節目をどう入っていけばいいかという話
「p(ぴあの)=音量小さく」は最終兵器。他の表現手段も探してみる。
そのあとにppある。
28:00~
【ベト7】2楽章[B]から
それぞれのパートの動き。
*いちろーた的なアイデア
言わなかったけど4楽章につながってくる動きの芽生えかも?
4分の2拍子だけど……3/8+3/8+2/8拍子としてかぞえてみる。
36:30~
【ベト7】1楽章10小節目あたり。
16分音符の始まり。
*さらう為のアイデア、アンサンブルのためのアイデア
・音が変わらないとしたら?
・変化後、変化前の音を確かめておく(ストーリーは音の変わり目にある)
・最終的な到達点のために、仮のゴールを設定する。
42:00~
【ベト7】1楽章(続き)始まりのほうでの話
16分音符のクレッシェンド。
48:00~
【ベト7】1楽章のVivaceになったところから
入れないことに対処するには?
→例えば数えてみる
終わりの音が8分音符?4分音符?
始まりの音は8分音符?16分音符?
クサビついてる?無印?
→ということを見つけながらひく。それをひけてるかどうかは関係なく。
52:00~
【ベト7】1楽章[80]から
リズムを読みなおす。
*さらう為のアイデア
・タイを外して練習してみる
・ひく音を減らす
・リズムのユニットごとに、間隔をたっぷりとってみる
57:00~
【ベト7】1楽章(続き)
「付点8分の時のリズム」「8分+16分休符ありのリズム」
58:55~
【ベト7】1楽章[C]からちょっとだけ
pに変わる
そのあと短いクレッシェンド。
*さらう為のアイデア
・pに入る前に一時停止、安全確認してから再出発
・付点の8分はうたってみる
・「付点8分+16休符+8分」のリズムセットは、「歌う付点8分、(ブレス)16休符+8分」でやってみる
・クレッシェンドのこと「4分+8分、4分+8分」のセットは「4分、8分+4分、8分+…」というセットとしてクレッシェンドしてみる
1:01:45~
【ベト7】1楽章(続き)[C]の先のこと
1:03:30~
【ベト7】1楽章[140]から[F]の前とか
転調いっぱいあるけど、指使いの法則性を見つける遊び
*Tuttiのためのアイデア
・他の人はどんな演奏をするんだろうか?という観察を楽しむ
・その場で解決しなくても、「次の演奏のためのアイデアをもらうために参加する」でもいいんじゃない?
以上です。感想・質問・気づいたこと・気になることがあったら是非コメントください。
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